20年ほど前に、中国雲南省をの藍染工房で入手した、大型マルチ・カバーです。ときどき見る程度で、ほとんど織物用の収納箱に入れていました。
　大型布（約3.9㍍と約1.5㍍）の本品では、横に9個小さな正方枠、縦に13個の枠を置き、計117個の枠内に花などのモチーフを絞り染めしています（1枚め）。布の端には、白い12花弁を、細い6本ほどの糸で結んだ大きな花と、ひらがなの「こ」形のモチーフが連続し、横に16個、縦に22個描かれ、布にまとまりをもたらしています（3枚め）。
　正方枠は白糸で枠取りされ、日本の刺し子のように藍色の布に白い糸を縫い付けるので無く、染め出した後に、白い糸を藍色の細糸をミシン縫い付けていますので、裏側には白い枠は現われません（2枚め）。
　117個のモチーフでは、横の枠では央5つ目の列を境に、左右4列のモチーフがそれぞれ対称に選ばれ(4枚め）、枝や葉のモチーフでは、左右逆向きにされています。また、縦13個の枠では、中央7段めを境に、上下6個のモチーフが対称的に選ばれています(4枚め）。
　上下対称のために7段めを含めた正方枠に描かれる63モチーフでは、約25の花や葉のモチーフが見られ、これらが117個を描きます。1段めでは、中央5つめに、四角の角に白い8花弁の花4つと中心に円のモチーフ、そこから左右に、8つの双葉、2葉と軸に4枚の花弁の丸い花、シダ風の葉4枚に囲まれた四角の花、一番端には、左3つめと少し異なる、2葉に白の花が描かれます。2段めには、十字の4つ葉と4枚愕や、花びら十字と4つの花などのモチーフが見られ、3段めには花飾りの雨傘風のモチーフが見られます。
　花と葉の25ほどのモチーフの詳細は、画像で見て頂く他ありませんが、本品は、中国南部の少数民族が住み、あるいは、かつて住んだ、花に囲まれた理想郷を再現し今日に伝えています。117枠の気が遠く程の手絞り作業で、丹精を込め芸術品と言いたくなる布です。かつての日本と同様に、伝統技術を継承した人々が手間をかけて完成させ、逆に、20年を経た今日では容易に制作できない、ビンテージ布です。
　藍色の部分を、少し濡らしたガーゼ状の布でこすりますと、微かに青みが出ますので、洗濯されるときには塩と酢の伝統的な定着方や、説明に基づき色止め剤をお使いただければと思います。
　サイズ：横　約146㌢　縦　約390㌢

此参考翻译(中文)功能是由Google翻译所提供，本网站不保证翻译内容之正确性